高齢者を狙った悪質商法が横行しています
                  埼玉県総務部消費生活課資料より抜粋 (13.9.14)  

 高齢化社会を迎えて、高齢者向けの商品やサービスは選択の幅が広がってきています。
 その一方で、高齢者を狙った悪質な商法は後を絶たず、強引な勧誘に負け被害に遭うケースが増え、「契約したが、必要ないものなので解約したい」などの相談が、消費生活相談窓口に寄せられています。

1 具体的な相談事例
【事例1】
 アナログからデジタルになるので、現在の電話機は使用できなくなり、機種の変換が必要と勧誘された。夜8時から11時頃まで勧誘され、電話 機の契約をした。契約後、不審に思い、大手電話会社へ問い合わせたところ、変換の必要はないと言われた。
【事例2】
 突然来訪した男性に、背中を押すように車に乗せられ会場に連れて行かれた。日用品の無料配布後、竹炭入り布団は体が温まると購入を勧められた。断ると販売員は上司に殴り飛ばされ、あまりの怖さに契約してしまった。
【事例3】
 折込広告で中国式療法の説明会と書いてあったので会場に行った。肩こり、腰痛の緩和に効果があると説明を受け、針治療器の体験をしたところ、断れなくなり購入契約をした。家族に反対され、断りの手紙を入れて商品を返送したところ、業者に電話で怒鳴られ、恐くなって再送を承諾してしまった。
【事例4】
 半年前、強引に屋根裏の耐震補強工事を100万円で契約した業者の担当者が「点検だ」と言い、断っているにもかかわらず強引に上がり込んできた。
 屋根葺き替え工事が必要と診断され、300万円の契約をするよう強く迫られた。「今はお金がないから契約できない」と言うと、「銀行から借りて払えばいいから」と書類を作り、署名をさせられた。
【事例5】
 一人暮らしの母親のところに電話があり、「浄水器のお試し期間で取り付けに行きます」と言われ、無料と思っていたら新しい浄水器の契約であり、取り付けられ契約書を書かされた。信販会社で契約できるよう年齢を若く記入するよう言われた。
【事例6】
 電話で布団のクリーニングを勧められた。クリーニング1回5千円を キャンペーン中のため半額にするというので応諾した。サービス終了後 「この中味でリフォームすれば、今後30年間使用できる」と品質の良さを強調したセールストークに羽毛布団のリフォーム契約をしたが、高額なため、家族に反対された。
【事例7】
 2千円で換気扇とエアコンを掃除するという電話があった。以前も他の会社で、掃除を安い値段でしてくれるというので頼んだところ、高額な外国製の掃除機の購入をしつこく勧められ、断るのに大変な思いをしたことがあった。相手は「うちは違う」と言うが、何かの販売ではないかと不安である。
2 問題点
一人暮らしの高齢者や日中高齢者だけがいるところを狙って訪問している。
服装や名前をそれらしくしているだけでなく、専門用語も並べてくるので信用をしてしまいがちである。
損害や被害の例を見せて必要以上に不安をあおっている。
考える時間を与えずに契約を迫る。
高齢者は新商品等に関する情報に接する機会が少ないことや、心身機能の低下があることもトラブルに巻き込まれやすい要因となっている。
健康への関心が強いことを巧みに利用して不安をあおったり、本来認められていない効果などをうたって、商品を販売するケースが多い。
住宅設備関連の商品を特別に安くするようにいうが、実際は他の業者と比べて高額だったり、ずさんな工事をされてしまう。
情報理解能力の衰えが進んだ高齢者にあっては、悪質商法の被害に遭ってもその意識が薄い場合がある。
家族が気付くのが遅いため、解決が困難になる場合も少なくない。
3 アドバイス
家に訪問してきても簡単にドアを開けず、用件や身分証明書等を確認したり、直接官公署に問い合わせたりすること。
その場で契約をしないで家族や知人、消費生支援センター等の消費生活相談窓口に相談したり、他の業者と比較し、支払総額を十分かつ慎重に検討すること。
必要がないときは、はっきり断ること。
被害に遭ってしまった場合、「クーリング・オフ制度」で無条件解約できることがある。
必ず、必要事項を具体的に列記した書面をもらうこと。
成年後見人制度を上手に活用すること。
周囲の人も日ごろから、高齢者とのコミュニケーションを密にすることも大切である。
商品やサービスを契約し、困ったことがあったら一人で悩まず、早めに近くの消費生活相談窓口相談をすること。
4 留意点
 現行の民法では、20歳以上の人はすべて一律に法的能力があるものとして扱われます。その契約に自分で責任を持たなければなりません。高齢者であるから、という理由で特別に保護するための制度は設けられていません。
 このような被害に遭わないためには、「無料」や「ただ同然」をトークにする(又はくじを引かせる)勧誘には安易に乗らないことです。たいがいは「SF商法(催眠商法)」「点検商法」などの悪質な商法が潜んでいるからです。
 当たり前のことですが、むやみに家の中に入れない方が良いでしょう。 「無料」という言葉が出てきたら少し過剰なぐらいに疑ってみた方がよいかもしれません。
 万一、被害に遭ってしまった時には「クーリング・オフ制度」を活用しましょう。 
 一定の要件はありますが、この制度により訪問販売等で消費者がいったん申込みや契約をした場合でも、契約の内容を明らかにした書面の交付を受けた日から一定期間(8日間)は、消費者から一方的な申込撤回や契約解除が可能な場合があります。口頭でも有効とされていますが、証拠保全のために書面で行うことが無難です。
 また、4月から消費者契約法が施行されました。この法律は年々増加する消費者契約のトラブルの防止と救済のために設けられた民事ルールです。雇用契約を除く全ての消費者と事業者における契約に適用され、契約締結過程の事業者の不適切な行為により、誤認や困惑して結んだ契約は、取り消しができ、事業者に一方的に有利な条項は、無効になります。 
【参考資料】
「成年後見制度」とは、

 高齢化や核家族化が進み、高齢者や知的障害者自身が契約を結ぶ機会が増え、判断能力の低下などにつけ込まれて、悪質商法の被害に合うケースが増加しています。成年後見制度は、判断能力が不十分な成年者を保護し、支援する制度です。
 後見人には、財産管理のほかに本人の心身や生活に配慮する義務がありますので、今までの生活を維持しながら人権と財産を守ることができます。

「SF商法(催眠商法)」とは、
 「安売り」や「講習会」等を名目に繁華街、スーパーの前などでチラシ等を配り、ビルの一室や民家の特設会場で人を集めます。
 会場では、タマゴやザル、鍋など安価な日用品や食料品を「無料」や「タダ同然」で配り、集まった人達を徐々に熱狂的な雰囲気に盛り上げます。
 そして、「もらわないと損」、「買わないと損」というような一種の催眠状態をつくりだし、消費者の冷静な判断を失わせ、最終的には高額な商品を契約させます。
 催眠商法ともいわれますが、「新製品普及協会」という業者が初めて行ったため、その頭文字を取ってSF商法と呼ばれています。
「点検商法」とは、

 ガスなどの無料点検といって玄関を開けさせ、「危険だ」「今すぐ修理が必要」などと言って、結局は新しい商品を買わせるのが点検商法です。

 その他では、白アリ駆除の点検済みシールが貼られた家などを狙い、「湿気がひどくてカビだらけなので、すぐに修理が必要だ」などといい、強引に契約を迫ってきます。他には「布団のダニ検査」などといろいろな手口があります。
■お近くの消費生活相談窓口に早めに相談を
消費生活に関して、トラブルが発生したら、早めに最寄りの消費生活相談窓口に相談してください。